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憧れの街

トロンボーンパート解説

 2年前の課題曲『春風』の作曲者、南俊明先生の曲。これもとってもオーソドックスなマーチですが、テンポの変化があり、冒頭は堂々としたGraveで始まります。トロンボーンは、あとうちやハーモニーの伴奏形、それからマルカートのオブリガートやメロディがおもな役割ですので、きれいなマルカートやハーモニー、すっきりしたあとうちなどが課題ですね。

 冒頭のF dur、低音楽器とともに堂々としたハーモニーを作りたいですね。硬い音にならないようにたっぷりの息で。もちろん、低音楽器と一緒に練習しましょう。アクセントはきつすぎないように。

 3小節目から4小節間は、クレッシェンドが書いてあるのは[A]2小節前(5)からですが、"気持ちは"3小節目から、[A]1小節前(6)のフォルティシモに向かっていくつもりで一気に。ただしもちろんin Tempoで。このあたり春風と似ていますね。[A]1小節前(6)の1st、FとEが高くならないようによく聞いてハーモニーを合わせましょう。1stトランペット、3rdホルンとユニゾン(オクターブ)ですね。

 [A](7)からはあとうちです。歯切れよく。そしてフレーズ(横の流れ)を感じることが大切です。1個1個の音をそれぞれ支えるのではなく、8分休符も支えたままで。それから、各小節を2分音符2つにして合わせてハーモニーも確認してみましょう。あとうちの形になってもハーモニーが感じられること。各音が『当てるだけ』になってしまうとハーモニーが聞こえません。響きでクリアに。そして、大きすぎないようにバランスをとりましょう。[B]1小節前(14)の2分音符、ディミヌエンドはありませんが、当然少し抜いて。

 [B]の7小節目(21)のハーモニーは、それぞれがトランペットのオクターブ下です。よく聞いて合わせること。クレシェンドも全体と気持ちを合わせて。そして、[C](22)は、2小節間でカップミュートをつけなければなりません。右手はスライドを持ったまま、左手でつける練習をしてみてください。慣れると右手でつけるのよりも素早くできると思います。

 [C]の3小節目(25)からは、その前のトランペットを受けついで。ビギンのリズムですから重心は1拍目。8分音符は軽く。そしてその次(26)のハーモニー、3rdのFに対して1拍目1st、3拍目2ndのCがきちんと5度になるように。1st3拍目のEsも高めにならないようよく合わせてください。次の小節1stのDは4ポジションでもいいと思います。ただし普通の4ポジションよりは少しだけ遠くです。よく合わせて。

 [D]2小節前(29)から[D]まで、トランペットとよく合わせてください。ベルトーンはバランスよく。3rdのクレシェンドは3拍目からのつもりでいいと思います。それから、ミュートの音程がオープンとあまり違うようならコルクなどを調整する必要があるかもしれません。

 [E]の4小節前(35)からはユニゾンのパッセージ([E]2小節前4拍目からはハーモニー)です。クリアに。ただし硬い音にならないようにしたいですね。2分音符の抜き方など、中低音楽器の仲間と気持ちを合わせてください。8分音符にアクセントがあって2分音符にはありません。が、2分音符を弱くするということではなく、8分音符がクリアに欲しいという意味のアクセントだと思います。[E]2小節前(37)1拍目裏のB、F管付きの楽器ならF管で遠めの3ポジション(ほとんど4ポジションに近い)を使う手もあると思います。[E]1小節前(38)の2分音符も、ディミヌエンドはありませんが、[B]の前と同じく少し抜く方がいいと思います。

 [E](39)からはまたあとうちです。注意点は[A]と同じ。そして、フォルティシモですが、これは全体の音楽がフォルティシモだということ。気持ちはメゾフォルテくらいでちょうどいいと思います。そして、Trioの前から[F]までの部分は勢いを持って演奏したいですね。ただし、in Tempoで。

 [G](65)は、木管低音楽器とコントラバスのメロディの伴奏ですが、ハーモニーがちゃんと聞こえるようにします。そのためには、各音が『あてるだけ』にならないこと。響きでスタッカート。こういうところではそれぞれがちゃんとテンポを感じること。そして、そのうえでブレスを合わせること。

 [H](81)の注意点は[E]の4小節前と同じです。各ユニゾンの音程、よく合わせること。1小節目、D,G,Hのそれぞれ4ポジションは同じではないと思います。同じく5小節目(85)の各2ポジションも微妙に違うかもしれませんね。アルトクラ、テナーサックス、ユーフォとよく合わせてください。[I]の2小節前(88)から、8分音符はマルカートのアクセント。音符と音符の間も支えは抜かないようにします。そうしないと各音に響きがなくばらばらになってしまいます。そして[I]の前は、ritの分だけ各音の音価が長くなるということを忘れないでください。

 [I](90)からユニゾンのオブリガートです。テンポの流れによってはその前からのつながりが少し難しいかもしれません。もし、直前のCを6ポジションにしなければならないのなら、ritの量によってはCis,Dを5,4ポジションにすることも検討してみてください。8分音符の動きはクリアにはつらつと。長い音はらくに抜いて。5小節目(94)、場合によっては3小節目(92)も、あたまのDは4ポジションがいいと思います。

 [J]2小節前(100)からの2拍3連符、テヌートですが1音1音がちゃんと聞こえるように少し分けるほうがいいと思います。

 最後4小節(104)は、最初からちゃんとテンポに乗って。いちばん最後のsffz、クリアに決めましょう。力が入るとうまくいきませんよ。自分だけでがんばらず、仲間がいることを忘れないでください。

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