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エアーズ

トロンボーンパート解説

 この曲は特に純粋な美しいハーモニーを響かせることが重要になると思います。中低音楽器のハーモニーが厚く書かれているので、大きすぎないように、トロンボーンのダイナミクスは全体的に1段下げるくらいで良いと思います。

 [A]からは、ここでのメロディのBクラ、アルトサックス、トランペットとも音域がわりあい低く、伴奏の中低音が厚いことから、mfとありますがこだわらず大きすぎないように。そしてマルカートで。2ndと3rdはユニゾンが多いので特にがんばりすぎず、溶け合わせる意識がより大切だと思います。こういう部分のハーモニーが澄むかそうでないかで、全体の完成度が大きく変わります。3小節目2ndと3rdのGからAに下がる部分、4拍目のAの響きがつぶれないように。コツは"ゆるめないで下がる"です。

 [B]からは、1小節目はフォルテから、5小節目はメゾフォルテからです。この箇所に限りませんが、この曲は、こういう強弱の変化をきちんと守ることがポイントになります。ただし、全体のバランスを考えて大きすぎないよう、やはり1段小さめくらいでいいでしょう。

 [B]の部分はさらに、2拍3連符がもたれないよう、きちんと3等分しましょう。そして各音は長めにテヌートの形でいいと思います。3,4小節目の1st、上のEの音が高くならないよう、よくハーモニーを合わせてください。7小節目からは楽譜にテヌートの指示があります。ただし、律儀に守るとブレスをするところがありません(>_<)。そんなに大きく吹く必要はないのですが、それでもブレスは必要。が、2ndと3rdはほとんどユニゾンです。助け合ってブレスのすきまを埋めましょう(^^)。1stは、3つのBの音がユーフォとユニゾンですね。

 [C]の6小節目のrit、2ndと3rdはまわりと動きを合わせるのが難しいところです。ホルン、ユーフォを聞いて、そこに加わる、寄り添うように。あまり早くからritの意識になるとうまくいきませんね。そしてその次、[D]6小節前と5小節前の8分音符、決して"バリッ"とならないように。気分的にはメゾフォルテです。

 [D]からは、最初フォルテ、5小節目からの2フレーズ目はメゾフォルテです。ただしここも、全体のバランスを考えて大きすぎないように。

 [D]2小節目の1stは、ピッチ気にをつけて、ハーモニーに溶け込ませるように。FisもGも低くならないように気をつけます。ちなみに1stホルンと2ndトランペットが同じ音です。

 [E]の16分音符の動き、上のDも4ポジションがいいですね。ただし、微調節してくださいね。各音は短くなりすぎないように、16分音符ですがテンポはそう速くありません。1音1音ていねいに吹く感じで。

 [H]からの伴奏形はメゾピアノですが、もう気分的にはピアノです。そして4分休符の間もフレーズはつながっています。気分的にはお休みではないですね。気持ちや支えを抜かないように、"休符も吹く"ようなイメージ。途中に出てくる8分音符の動き、もたれたり動き出しが遅れたりしないこと。冷たくテンポで。要メトロノーム練習です。そして、ユニゾンの動きは合わせてみること。たとえば[H]6小節目の1stとユーフォ、2ndと3rdなど。

 [I]からも基本的に気をつけることは同じですが、ここは最初はメゾフォルテ、5小節目からの2フレーズ目はメゾピアノです。変化をつけること。しかしやはり、まわりとバランスをとって。

 [I]3,4小節目などの跳躍を含んだ8分音符のレガートの形、レガートのポイントは"息の流れ"です。音の変わり目で息の流れに段差ができたり、流れを止めたり、流れにこぶができたりしないよう、1つのレガートは1つのロングトーンのような意識で。2ndと3rdはユニゾンです。にごらないように。

 [K]は[D]の部分と同じですね。気をつけることも同じです。

 [L]3小節目はソフトな澄んだハーモニーで。オルガンのように。そしてもちろん、各人がサックスのフレーズを憶えておくこと。そうすれば入りで迷ったり遅れたりしないはずですね。そしてその次の16分音符は、短く引っかけすぎないこと。次の2分音符にくっつけすぎず、きちんと16分音符で。

 [L]8小節目の8分音符も、その部分の木管の動きを各人が憶えておくこと。木管と一緒に歌うような気持ちで。

 [M]の前のクレッシェンド、全体のバランスの中で不足しないよう十分に。できればブレスなしで[M]に入れるといいですね。

 スコアの解説にもあるように、エアーズは"歌"という意味です。伴奏もメロディーパートと一緒に、まさに"歌う"ように吹きましょう。

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