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ウィナーズ-吹奏楽のための行進曲

トロンボーンパート解説

 この曲はトロンボーンセクションに限らずユニゾン部分が多く、和声も複雑で、また高度なアンサンブルも要求されます。ユニゾンは合っているかどうかがわかりやすくごまかしがききません。音を必要以上に張りすぎないこと、硬い音にならないよう響きを合わせることが大切だと思います。フレーズ最後の音から休符に向かってかかるスラーは、音の終わりをはっきり切るのではなく、響きの中に溶け入るように終わるよう気をつけてください。

 [1]の2小節目からの1stのフレーズは、その前の小節からの1stホルンと強弱、アーティキュレーションなどのニュアンスが同じになるようにすることが必要です。 [4]の10小節目からは1stトランペットとユニゾンですので、音程、強弱などを合わせてください。[7]の2小節前からはソロですので、重ねずに1本で演奏します。ストレートミュートの状態がよくないと、低音のAが不安定になります。コルクが減ってベルとのクリアランスが小さいと、抵抗が増して低音の発音が難しく高音は低くなります。かといってコルクを厚くしすぎると今度はミュート時のピッチが上がってしまいます。ミュートに慣れることも大切です。

 [9]からはトロンボーンとユーフォによるユニゾンのメロディです。音程をよく合わせること。真ん中のHと、3小節目の下のHのオクターブが決して狭くなったりしないこと。F管で吹いた下のHは当然、通常の2posよりもやや遠くなるはずです。ハーモニーディレクターに合わせて練習。その時に、楽器で合わせてみるだけでなく"声"を使って歌って合わせてみることも有益だと思います。2小節目のAisは、5ポジションでとることをお勧めします。低くならないように気をつけて。この部分はフォルテでクリアに堂々と、ただし、決して音を割ったりキツいニュアンスにならないように朗々とした演奏になるよう気をつけてください。[10]の2小節目からの1stはソロなので1本で。[10]の3小節前からの1stトランペットとアーティキュレーションなどのニュアンスが同じになるように。[11]の3小節前からの2nd、3rdはテューバとオクターブです。ピッチを合わせること。その2小節前にピッコロ、フルート、クラ、ホルン。1小節前にテナーサックス、ユーフォ、ファゴット、バスクラが同じ動きをするので、その声部とニュアンスを合わせること。

 1stトロンボーン、[11]はホルンの、[12]はトランペットのそれぞれ補強というかアクセント、色づけですから、ソロとしてではなく、それらのパートに合わせるよう気をつけてください。トロンボーンにだけアクセントとスタッカートが付いていることに注意。[14]からはトランペットとよく合わせましょう。吹き方、H音のユニゾン(オクターブ)の音程に特に注意。

 [16]の2小節目から[17]の1小節目まではトロンボーンセクション、ホルンセクション、ユーフォ、全部合わさって一つのフレーズ、ラインになるようによく合わせてください。ニュアンス、ユニゾンの音程に注意。少しゆっくりから合わせてみましょう。でこぼこしないように1本のラインになるように、なおかつアクセントなどのニュアンスが出せるように。

 [18]の1小節前からの1stと2ndは、テナーサックス、ユーフォと合わせてみましょう。[19]の1小節前からの1st、2nd、3rdは、ユーフォ、ファゴットとよく合わせましょう。それらの楽器と一緒に1つのラインになるように。このあたりがこの曲で最もアンサンブルが難しい箇所だと思います。

 [20]以降はTuttiになっていきます。トロンボーンもここからはハーモニーが中心になっていくんですが、部分的にユニゾンやオクターブも出てきます。その箇所をあらかじめ把握しておくことは大切です。ここからはトロンボーン、ユーフォ、テューバ、ストリングベースで、よく合わせてみましょう。

 [23]の4小節目から[24]までは、トランペットセクションとよく合わせます。入りが遅れないこと、次のパートにきれいに受け継ぎ、全体で安定したテンポになるように気をつけます。一人一人がちゃんとテンポを感じること、感じているテンポが全員合っていることが大切。そのためにはメトロノームで練習しましょう。

 [24]の3小節目からはトロンボーンセクションのみのユニゾンで、[9]で出てきたメロディが、こんどは半音下で出てきます。その前の木管群を受けて、今度はフォルテ2つです。しかし決してきつい感じにはならないことが必要だと思います。たっぷり息を流して、特に上体がリラックスして吹けるように。1stと2ndに出てくる2箇所の上のDは、当然4ポジションで吹きましょう。音程に気をつけて。

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