2014/01/07(火) 学校吹奏楽のトロンボーン(3)
 バス・トロンボーンに無理をさせている現状…。低音部譜表で下に加線がつくような『バストロ音域』を書いておいて,おんなじパートにテナー譜表で上に加線がつくような音を書く作曲家がいる,と…。一体どんな楽器を想定して書いているのやら…。これはバンドのレベルにもよると思います。でも,学校バンドには無理な書き方ですよね。課題曲公募なら,もうこの時点で落選でしょう。音域違反ですから(・∀・)

 まぁ,バス・トロンボーンを想定して書くのであれば,たしかに終止のハーモニーに第3音なんかを書くのは,ちょっと『不思議な』書き方なのかもしれません。チェロに内声を書くようなものですから(・∀・)。ぼくは吹奏楽を書く時は,場合によりますが基本的には3rdにはバストロを想定しません。必ずしも3rdがバストロでなくてもいい,むしろテナーのほうがいいような曲も,吹奏楽にはけっこうあったりしますよね。

 これはまた違う話かもしれませんが,Cのコード(ド・ミ・ソ)を,吹奏楽でトランペット3本トロンボーン3本に書く場合,たとえば上から『ドソミドソミ』と書く作家さんが多いかもしれません。でもこれを,たとえば上から『ドソミドソド』と書くと,自然倍音列に近くなるので純粋に響いたりする。トロンボーンセクションだけを見ると『空五度』になるので,ちょっと『う〜ん(´・ω・`)』な感じはしますが,全体としてはそのほうがいい場合もある。和音ひとつにしても,そんなことまで考えて書いているのかどうかは,楽譜を見るとわかってしまいますよね。

 話を戻すと,吹奏楽でのトロンボーンのいちばん下(通常3rd)は場面によって,テューバなど低音楽器との共同作業なのか,トロンボーンセクションの内声なのか,それともセクションのベース音なのかの見極め,バストロではなくテナーバス選択の可能性もあるということを知っておく必要かあるのかもしれません。