2014/02/10(月) 楽譜のトリビア
この前飲んでいて,楽譜のトリビアの話になりました。
音符の棒。どこからが上向きでどこからが下向きか? 第3線(高音部譜表でいったらシ)は下向き棒です。ではスラーは? 基本,音符の玉のほうに引きます。では音符の上下の向きが混在する群に引くスラーは? これは必ず上に書きます。
音符の棒と,小節線,太いのはどっち? 出版社にもよりますが,小節線のほうがわずかに太いです。黒い譜面だとそのほうが読みやすいのです。では,五線の幅ってどれくらい? 基本は7mmです。吹奏楽のパート譜だともっと細いのもありますが,オケパート譜はたいてい7mmです。
今はみんなコンピューターで楽譜を作りますが,昔は手書きで写譜していました(今でももちろんありますが)。『写譜で家が建つ』なんて言われていた時代もあったんですよ。それくらい,大切な仕事でした。速さと美しさ,もちろん正確さ。
スタジオに写譜屋さんが待機していて,作家からスコアが上がってくると,その場で写譜してレコーディングしていた…,速い人は,右手で音符の玉を書いて左手で棒を引く…,なんて伝説も聞きましたね。たとえスコアに間違いがあっても,できる写譜屋さんだと,パート譜ではその間違いが直っている,とか…。
以前はぼくも写譜ペンで写譜していました。美しい写譜のコツは,ストレスのない自然な直線。コンピューターにもいいところはありますが,なにしろあとに残るのはデジタルデータだけですから,『自筆譜が発見された!!』なんてニュースは未来にはなくなるわけです。それも淋しいですよね…。