2014/01/05(日) 学校吹奏楽のトロンボーン(1)
管楽器の雑誌パイパーズの最新号に,東京佼成ウインドオーケストラの元トロンボーン奏者萩谷克己氏が,学校吹奏楽におけるトロンボーンの問題について書かれていました(日本トロンボーン協会会報からの転載とのこと)。
その問題とは,要約すると…,中学校の発展途上バンドでは,未だにF管がついていない細管テナーの備品が多くある。マウスピースやパートの問題など,テナーバスとバスの区別(使い分け)がちゃんとされていない現状がある。楽譜の問題もあり,バス・トロンボーンに無理をさせている。
萩谷氏も書かれているように,1ポジションと7ポジションを往復しなきゃならないような動きが出てきたりします。速さにもよりますが,そんなパッセージはF管なしのテナーではまずまともに演奏できません。ジャズのビッグバンドでは1〜3番は普通テナーを使いますが,1〜7の往復パッセージ見たことありますからね。それも,わかってて書いてる(怒)。今ならどっちかの音を捨てて適当にごまかすでしょうね。当然です。100%不可能ですから!
トロンボーンのスライドって,弦楽器の左手と違って,必ずしもその瞬間に寸分違いなくその場所にいなくても,それらしい音が出たりするものですよ。パッセージにもよりますが…。耳を使って『寸分違いなく』が要求されることもあれば,ファジーな『流れ』が必要なこともあります。剛柔使い分けが要求されると思いますね。まぁある意味,便利です。
学校現場の話に戻りますが,中学生だと7ポジションって物理的にまず届かないんですよ。小学生だと6ポジションもムリ。なのでバルブは必須なんですよね。そういうことをわかって,遠いポジションが出てこないように楽譜を書いてくれればいいんですけどね…。それ以前に,そういうバンドだとスライドがまともに動かない楽器も多い。水平から30度傾けてスライドが動き出さなかったら,それはもう『トロンボーン』じゃないですから!!(-_-;)
[明日の日記に続く…]