2014/01/30(木) 吹奏楽での楽譜の読み方
 あるところで,こんな話を聞きました。曰く,吹奏楽部のフルートの子に,「ドの音を吹いて」と言ったらB(ベー)の音を吹いてくれた,というもの。わかりますか? フルートは実音楽器であるのにもかかわらず,B(シのフラット)を『ド』だと思っているのです。どうしてこんなことが起こるのか…

 吹奏楽は移調楽器が多いです。Bクラ,バスクラ,テナーサックス,トランペットはB管,エスクラ,アルトクラ,アルトサックス,バリトンサックスはEs管,ホルンはF管(F-B管)です。トロンボーン,ユーフォ,テューバの低音金管群は,楽譜は一般的には低音部譜表の実音記譜ですが,管はじつはB管です。ちなみにテューバはC管,Es管,F管の楽器もあります。トロンボーンだってアルトはEs管ですが…

 こうしてみるとB管の楽器が多いですね。しかも,学校吹奏楽で単に『音階』といったら,それは暗にB-durを指すことが多い。チューニングもBですることが多い。そういう背景からなのか,Bの固定読みをどの楽器にも半ば強制しているようなバンドもあるらしいのです。これ,とんでもないことです(-_-)

 Bは『ド』ではなく『シのフラット』です。自分の楽器は何管で,楽譜はin何で書いてあるのか,記譜の音名と,それが『実音』では何の音になるのか,かならず把握すること。でないと後ですごく苦労することになりますよ。

 たとえばBクラなら,管はB管,楽譜はinB,記譜の『ド』は実音ではシのフラットです。ここでややこしいのが低音金管群。管はB管なのに楽譜は実音記譜です。と,2種類の読み方が出てきたりします。B読みとC読み。管の読みか楽譜の読みか,まぁどちらで行っても出てくる音が正しければいいのですが,B読みをするのなら,ほんとうはこれは何の音なのか,ちゃんとわかっておくこと。じつはぼくも元々はB読みなのです。

 多くの普通の吹奏楽部では,イタリア読み『ドレミファ…』は『記譜音名』に用い,ドイツ読み『ツェーデーエーエフ…』は『実音名』に用いるということがされていると思います。なにしろ,記譜音名と実音名を正しく把握することが大切。その上で『階名唱』(移動ド)もできるといいです(絶対音感の人以外)。指導者はすべての楽器についてこれらのことを把握して教えられることが必須です。わからなければいつでも質問ください。。