2014/01/26(日) リズムって
 ある学校で指導した時のこと…,これもよくあるんですが,リズムを間違える,たとえば付点4分音符を1拍しか伸ばさなかった,と,そのあとの拍も全部半拍ずれるんですよ。これってたいてい本人には,ずれたっていう自覚はないので,「半拍早いでしょ」などと指摘しても気づきにはなりません。

 リズムを間違える…,人間誰でも間違えます。でも傾向として,間違った箇所を過ぎるとそのあとは普通にいく人と,そのあとの拍も全部ずれる人といます。リズムを間違えると拍も見失う。これ,致命的ですよね。わりあい上級者にも時々見られます。まあ世の中には,まるでだまし絵みたいな曲もありますが,普通の単純な曲でも拍を見失う。なぜそうなるのか…

 リズムを,『いろんな長さの音符や休符の積算』としか捉えていないからですよね。だから,1つ間違うと全部ずれる。つまりは,自分でテンポをとっていない,自分の中にテンポがない,テンポの流れの中にリズムがあるという意識がない,または希薄である,っていうことですよね。テンポの流れがあるから,リズムは存在できるのです。

 自分でテンポをとって,その中でリズムがとれる。たとえば4分音符単位や8分音符単位で手拍子しながら楽譜を歌える。自分の中にテンポ,ビートを持つ。これがすごく大事です。リズムを読むため,拍がずれないようにするためにも必要ですが,演奏,音楽に流れや躍動感,ビート感を持たせるために必須だったりします。

 ひとりひとりがテンポを持っている。主体性がある。だから合奏が『音楽』になる。