2014/01/16(木) 吹奏楽指導現場の嘘(4)
 ほんとうは効果がないとわかっている練習,指導者自身が効果があるとは思っていない練習を,生徒に課している現状もあります。指導者の不勉強もあります。でも,半ば確信犯的に,内容をよく考えもせずにやらせていたり…。『自分も学生の頃にやっていた練習だから…』,『よそだってやっているから…』,理由になりませんよね。これだって,指導現場の『嘘』です。

 とても考えるんですけど,『嘘はなにも生み出さない』とぼくは思っています。嘘を伝えたり,真実を黙っておいたり(もちろん内容にもよります。なんでも伝えればいいというわけではないです),現状とは裏腹の態度を取ってみたり,演技してみたり…。それが音楽に,教育に,プラスになることはないと思っています。真剣に正直に素直に,音楽と,生徒たちと相対することが,ほんとうにプラスになるのではないかと思っています。だから,教えるほうも成長し続けていくことが必須なんですね。生徒たちとともに,指導者も成長していく。

 繰り返しになりますが,できないことや,わからないことは,いけないことでも,恥ずかしいことでもなんでもない。大切なのは,それをどうするのかだと思います。そしてこれはもちろん,生徒たちだけではなく指導する者にとっても同様ですよね。指導者にも,できないこと,わからないこと,知らないことはたくさんあって当たり前です。でもきっと,そこから逃げたりごまかしたりすることが,嘘を生むんだと思います。

 なので,できないことはできない,わからないことはわからないって正直に言える先生は立派な先生です。少なくとも,嘘を言ったり背伸びをしたりする先生よりは,ずっとずっと信頼すべき先生ですよね。