2013/02/18(月) 音感の話、耳の話(2)
 フランスでは絶対音感の比率が多いそうです。でも、絶対音感をとくに推奨しているわけではなく、ソルフェージュがとても重要視されているので(楽器を始める前にソルフェージュの習得が必須らしいです)、そういう教育の中で結果的に絶対音感の比率が高くなっているということらしいです。伝聞ですが…。絶対音感のほうが優れているわけではなく、絶対音感、相対音感、それぞれ一長一短ですから。

 ぼくの場合、聴いたものを楽譜にするっていうことを高校時代からたくさんやっていました。べつにソルフェージュ能力を高めようと思ってやっていたわけではなくて、ただその曲を演奏したかっただけなんですけどね(^^)。でも今にして思えば、あの経験はずいぶん役に立ってるなぁ、と思います。

 あたりまえですが、音楽の世界で『耳がいい』っていうのは、聴力がいいということではありません。音は、脳が聴きます。耳から入ってきた信号を解析するのは脳ですから。その脳の能力のことが、音楽でいう耳の能力っていうことになりますね。マイクロホンとしての耳の性能は年齢とともに落ちていきます。でもだからといって、それに比例して『音楽の耳』も悪くなる、なんていうことはありません。

 それから、音楽でいう『耳がいい』っていうのはもちろん、音の高さの認識力があるってことだけじゃありません。音の高さを認識する能力って、音楽の耳の能力のごく一部にすぎません。音楽の中からもっともっといろんなことを聴き取る能力が、音楽の耳には要求されます。音の高さだけ分かっても、音楽の耳の完成にはなりません。

 こうして書いてみると、音楽の耳って奥が深いですよね。。