2013/12/02(月) 続,息のターゲットは…
 11月19日の日記に『息のターゲットは…』という記事を書きました。息のターゲット,息の作用点は金管楽器の場合ならくちびるだと。でも,くちびるを狙って息を出そうとすると,胸のあたりに力が入ったり,口の中が狭くなったりということが,もしかしたら起こるかもしれません。

 くちびるに作用させるように息を出すのだけれど,まず息は肺から気管を通って上がってくるというふうに考える。そして,口の中の天井(軟口蓋)に当たる。それだけでいい。あとは勝手に息はくちびるの方に出て行ってくれる。だって身体はそういう構造になっているから。。

 肺から気管を通って息は上に上がってくる。これは,身体の中の事実ですよね。気管は,首の中の前の方にある。手で触れてみると喉の存在がわかるでしょう。そこが,気管。息が通るところはそこしかないのです。そんなふうに身体の事実のとおりに認識することは,とっても大切だと思います。

 のどは,なんにもしない。少なくとも意識の上では…。管楽器の場合は「のどを開けて」なんて言われることが,もしかしたら多いかもしれません。ぼくも言われました。でも待って。『のどを開ける筋肉』というのは存在しないんだそうです。だから,「のどを開けて」っていうのは,じつは『のどを広げる』ことではなくて,なにかもっと違うことを言っているんですね。。

 「のどを開けて」のほかにもあると思いますが,いわばそれは,身体の事実に沿わないイメージ上の言い方なのです。でもそういう表現って,人によって捉え方が違ったりします。だからそういう『言葉』だけがひとり歩きすることはとっても危険だったりするわけです。

 言われたことを,ただ言われたとおりにやるのではなく,なにを言わんとしているのか理解して自分のものにする…。これ,とっても大切だと思います。