2013/11/08(金) イメージか,実際か
楽器を演奏する時の身体の動きや働き…。実際に身体で起こっているとおりに伝えるのがいいという人,そうではなくイメージ上の言い方を使う人,両派あるようですね。
たとえば『おなかに息を吸う』なんていう言い方は,後者の代表的な例です。言うに及ばず,おなかには息は入りません。こういうふうに現実とは違うけれどもイメージを想起する言い方をすると,伝えやすい,つかみやすい,時には,わかりやすい…,もしかしたらそういう側面もあるかもしれません。
でも,試しに本気でおなかに息を入れようとしてみてください。肺に入れちゃダメですよ。おなかに入れるんですよ。。ぼくは身体が固まって苦しくなりますね。真に受けてそのとおりにやろうとすると…。
まぁこれは一種極端な実験ですが,極端でなくても,なにかの動きを制限したり緊張が増えたり,そういう弊害や副作用もあるのが,現実とは違うイメージ上の言い方だと思うんですよね…。特に,文章だけだったりネット上だったり,そういうところにこういう表現が広がっていくのは,だから危険でもあると思うのです。
でも,結局両者とも,めざすところや目的地は同じだったりするわけですよね。ただ,結果的にそうなるものを作為的にやろうとしていたりすると,それもまた弊害や副作用を起こしたり…。「背筋を伸ばしなさい」もそうですね。ほんとうは作為的にやるものではないですよね。
ことばの使い方って難しいです。。