2013/10/03(木) 弊害ことば(2)
 昨日の続きです。

 『腹式呼吸で』っていうのも,捉え方によっては弊害になると思います。胸部は動いちゃいけない,っていうイメージを与える可能性があるからです。呼吸する時に,ここは動いてもよくて,ここは動いてはいけない,なんていうことはありません。全部,動いていいのです。身体全部を動けるようにしてあげて,自分の身体をほんとうにありのままに使ってあげること。アレクサンダー・テクニークって知ってますか。『オススメYoutube』に,とっても勉強になる動画がありますのでぜひ観てみてください。

 『息をもっとたくさん吸って』も,場合によっては弊害になることがあると思います。演奏の一連の動きの中で,『ブレス』っていうことだけを独立して意識することになるからです。それに,息はたくさん吸えば吸うほどいい,というものではありません。もちろん,捉えようによってはプラスになることもあるかもしれませんが…。

 こういう言葉はどうして弊害になりうるのか…。身体の一部位を取り出して,または演奏行為の1つのパーツだけを取り出して,それを意図的に,作為的にコントロールしようと仕向ける言葉だと思うからです。それは,身体の固さ,緊張につながります。特によくないのは,身体に関して,『◯◯してはいけません』とか,『◯◯しないように』というような,否定形の言葉です。

[明日の日記に続く…]