2013/09/13(金) 緊張とイメージ
Twitterに吹奏楽小ネタを毎日書いているのですが,昨日書いた,緊張の原因の話。『その曲が自分の中できちんとイメージになっていないと,緊張の原因になる』という意味のことを書きました。小ネタは自分の経験,体験談であることが多いんですけど,このネタにも具体的体験があります。
もうかなり昔の話になりますが,あるオーケストラに呼んでいただいたオペラの本番。そのオーケストラに行くのは初めてではありませんでしたが,初めてと言っていいくらい,とっても久々でした。指揮者も初めての方でした。
本番は,何日間か何回かありました。楽器はアルトでした。技術的にはそんなに大変な曲ではありませんでしたが,そのときはリハーサルから異常に緊張して手足がガタガタと震え,音をまっすぐにのばすのにも苦労するほどでした。
初日が終わって家に帰り,部屋の電気もつけずに1時間くらい考え込みました。ぼくは一体どうしてしまったんだろう,と…。リハの始まる何時間も前に会場に入ってアップをしました。アップは問題ありません。でもオケに入ると,手足が震えます。対策にいろいろとイメージメイキングをして,文章に書いたりしました。
原因はいろいろありました。じつはその本番は,ある種オーディションのようなものでした。でも,ずっとずっと後になって気づいた,とっても大きな原因,それは…,わりあいポピュラーなオペラでしたが,それはぼくにとっては初めての曲でした。音をならべることばかりに腐心して,その曲自体が『身体に入って』いませんでした。
練習が足りていなかったのではなく,勉強が足りていなかったのです。いや,知識の勉強ではなく,曲のイメージが自分の中でまったく不十分でした。なので『音楽の中に入る』ことができませんでした。その後,別のオケで,その作曲家の別のオペラをやる機会がありました。技術的難易度や音の数はこちらのほうが数段上なのですが,そのときは楽しく吹けました。
やっぱりイメージって大切です。。