2013/08/09(金) コンクールでマーチを聴いて思うこと…(2)
 そしてマーチの基本はインテンポ。もちろん rit. や allargando の箇所は別ですし、まったく揺れてはいけないとまでは言いませんが、たとえば場面の変わり目でテンポの流れに不自然な段差ができてしまっているような演奏も見られます。場面づくりをする前に、最初から最後まで流れに一本筋が通っていないとマーチになりませんよね。

 それから、リズムで言ったら、ひとつポイントは符点のリズム。これがかっこよく小気味よくできるかどうか。これ重要ですね。また、去年の『希望の空』のような6/8のマーチだと、ヘミオラのリズムが大きなポイントになると思います。たくさん出てきますよね。これがちゃんとサマになっている演奏、ヘミオラのビート感が出ている演奏、少なかったです。

 なんだか辛口に書きたいことを書いてしまいましたが…、どんなに緻密な解釈をしても、どんなにメロディが美しく立体的でも、どんなにオブリガートが朗々と歌い込んでも、こういう『マーチの作法』ができていないとマーチになりませんよね。このバンド、どうしてマーチを選んだんだろうか…? と思ってしまうような演奏が聴かれたりします…。ほかにやりたい曲がないから?

 これらがきちんと出来て、その上で歌があって、音楽的で、さらに聴いていて元気が出るような溌剌(はつらつ)とした演奏。やっぱりマーチは聴く人を元気にしないと…。そういう演奏、なかなか少ないんです…(´・ω・`)。でも、ちゃんとマーチしている素敵な演奏もあります。

 まぁ、ぼくも、指導校のジャッジペーパーに『あとうちが濁っています』なんて書かれたこともあります。わかっちゃいたんですが、やらなきゃならないことだらけで、そこまで手が回らなかったのですよ(´・ω・`)。いろいろとバンドによって事情はありますよね…。

 課題曲、マーチが人気になるのはいいのですが、マーチらしいすてきな演奏がたくさん聴かれることを期待したいです。吹奏楽はマーチに始まりマーチに終わる。マーチは吹奏楽の基本ですから。