2013/06/23(日) 純正律(3)
 それから3つめの問題…。メロディの音。たとえば1小節目2拍目裏のE音、4拍目裏のA音、2小節目最後のH音、これ、純正三度で取りますか? 純正律でこの旋律だけハーモニーディレクターで弾いてみたら、違和感ありませんか? 特に、H→Cの解決する動きは、旋律的にはHは少し高めのほうが、気持ちいい。これをハーモニーの三度に合わせるかどうかは、曲のテンポや楽器構成によって変わってくると思います。

 と考察して来ましたが、これはみんな『理屈』の話。数字上のことです。実際は各楽器の音の中にある倍音などの関係で、必ずしも計算通りとは限らないと言う人もいます。ただ、ひとつ言いたいことは、たったこれだけの楽譜を考察しただけで、純正律には矛盾が出てくることを知っておいてほしいということです。純正律は万能の杖ではないのです。

 とはいえ、純正律のハーモニーは美しい。これは疑いようのない事実です。でも、ここで考察したように、ハーモニーディレクターではうまくいかないこともある。それから、チューナーをあてにしても仕方がない。純正っていうのは、『ほかの音に対してどうか』ということですよね。それをチューナーで合わせても、どうしようもありませんよね。

 じゃあどうすればいいか…。『耳を使う』ことです。これにつきると思います。よくあるのが、ユニゾン、おんなじ音が合ってない。たとえばTuttiで三和音を演奏すれば、音は3つしかないわけですからおんなじ音を吹いている人がたくさんいるはずですよね。それが、合ってない。多いです。なのにそこで、お題目の「純正律!!」…。それ以前の問題なんですよね。そこを聴けるようにならないと…。

 それから多いのが、瞬間の和音だけを合わせて、前後の流れに着目しない練習…。そうではなくて、前後の脈絡、流れ、調性の中でのハーモニーなんですよね。だから、流れの中でハーモニーを『感じる』こと。これ、すごく大事だと思います。そして、『音程』っていうのは、音が合う、ハーモニーが合うための要素の1つに過ぎない…。これも大事なポイントだと思います。

 結局、耳の使えるバンドにしていくことしかないのではないかと思います。とにかくハーモニーの響きを、よく『感じる』ことですよね。もしわからなければ指導者を呼びましょう。ぜひ呼んでください!!(^^)。