2013/06/21(金) 純正律(1)(写真)
 あるところで、『「平均律」ではコンクールには勝てない!』と書いてあるのを読みました。純正律でないとダメだという意味なのでしょうけど、じゃあこの、吹奏楽界ではおまじないかお題目のように言われている『純正律』というやつ、一体どういうものなのだろうか…、ごく簡単に考察してみました。

 ほんとかウソか知らないけれども、長三和音だろうが短三和音だろうがお構いなく「第三音は下げなさい」なんて指導をしてる学校もあると聞いたので(>_<)、まず初歩的な、おさらいから…。

 基本、長三和音も短三和音も、平均律に対しての数字で言えば、根音がプラスマイナス0セントだったとすると、第五音は2セント高め(根音に対して平均律より少し広め)、長三和音の第三音は13.4セント低め(根音に対して平均律より狭め)、短三和音の第三音は15.4セント高め(根音に対して平均律より広め)にすると、純正に響くことになっています。ちなみに、平均律の半音は100セント。442Hzと443Hzでは、約4セント違います。

 さて、譜例を見てください。仮にこんな曲があったとします。ハ長調なので、C音が基準。なので1小節目3拍目のFコードは、第五音Cを2セント上げるのではなく、根音Fを2セント下げて五度を合わせます。と、第三音Aは13.4+2で15.4セント下げることになります。2小節目1拍目はとりあえず後回しにしますね。

 2小節目3拍目のGは、根音Gがすでに2セント高い。なぜかというと、C音から純正五度のG音だからです。ハ長調ですからね。なので、第五音Dは五度を純正にするために2+2で4セント高く、第三音Hは13.4−2で11.4セント低くします。

 そんなふうに合わせると、1小節目1拍目と3拍目のC音はおなじ高さのC音になるし、2小節目3拍目と3小節目のG音もおんなじ高さのG音になります。ここまで読んで気づく人は鋭いと思うけれども、長三和音の第三音はなんでもかんでも13.4セント下げるとは限らないということですよね。ハ長調でいえば、Cの第三音Eは13.4セント、Fの第三音Aは15.4セント、Gの第三音Hは11.4セント下げることになります。

[明日の日記に続く…]