2013/04/11(木) アーティキュレーション(1)
 マーチのスコアを読んでいると、たとえばあとうちの8分音符にいちいちスタッカートを書く人と書かない人といます。あとうちは、そりゃマーチのスタイルによっていろんな吹き方があるとは思いますが、短く吹くのはあたりまえ。そこにわざわざスタッカートを書くのには、ぱっと考えて3つぐらいの理由があると思います。

 1,『長く吹かないでね』という教育的意味合いを込めたスタッカート。
 2,音価的にいったらスタッカートの長さだよな、と、律儀につけたスタッカート。
 3,あとうちは短めに吹くのはあたりまえだけど、その中でも、ことさら短く吹いてほしいという意味を込めたスタッカート。
 まだあるかもしれないけれども…

 今年の課題曲でいったら、『祝典行進曲「ライジング・サン」』のあとうちには全部スタッカートがついています。『エンターテイメント・マーチ』のあとうちには、スタッカートはありません。さて、ライジング・サンのスタッカートは、どのスタッカートでしょうか?

 ぼくは、マーチを書くとき、あとうちにスタッカートは書きません。基本、短く吹くのはあたりまえだし、どういうスタイルでどう吹くかの判断はもう演奏者(指揮者)の範疇、感性だと思っているからです。もちろん作曲したからには自分の中に明確にイメージはありますが、それが唯一の正解だなんて思いません。

 おんなじ曲の中に出てくるおんなじ8分音符でも、いろんな長さやいろんな形があります。全部の8分音符がおんなじ形をしているわけではないですよね。それを、楽譜にアーティキュレーション記号を書くことによって、できるだけこまかく演奏する人に伝えたいと考える人と、逆に、演奏者の感性におまかせしちゃおうっていう人といる、ということだという気もします。

[明日の日記に続きます…]