2012/03/24(土) 隣の芝生
 楽譜を書いているときに人の曲を聴くと、『あぁ、この曲、こんなところがいいなぁ、こういうところ、自分にはないよなぁ、ダメだなぁ…』と思ってしまう。楽器でもそうで、人の音や演奏を聴いては、同じように思ってしまったりする。いや、人のいいところをみつけるのはいいことなんだろうけど、同時に、自分はダメだなぁと思ってしまうんよねぇ…。実際ダメなとろこもあるのは事実だが…

 小学校の頃、図工の時間に写生で校庭にあった大きな楠の木を描いたことがあった。ぼくは楠の木の太い幹をいろんな色を使って点描のように描いていたんだけれど、友だちは普通にリアルに幹を描いていた。それを見て、やっぱりそういうのがいいなぁ、と思って自分の点描を塗りつぶして上から描き直しちゃったのです。で、それを見た先生、「せっかくきれいに描けてたのに、どうしてぬりつぶしちゃったの?」と。

 その時なんて答えたのかよく憶えていないけれども、多分、もごもごとはっきりしない返答をしたのに違いない。自分が描いた点描を、いいと思えなかったんだよねぇ…。自分の個性、なのかはわからないけれども…。隣の芝生のほうが、ずっときれいに思えた。

 自分の個性、自分の色をみつける、気づく、って、きっと大事だよね。