2012/03/10(土) あれから一年
 甚大な被害をもたらしたあの東日本大震災から、明日で1年。早いものだ。

 あの地震の時は、午後3時からのリハにそなえて名古屋市内のあるリハ室にいた。周期のやや長い不気味な揺れが長く続き、予定どおりに始まったリハ中にも余震があり、一時中断したりした。名古屋はそう大きな揺れではなく、震度3くらい。

 リハ休憩時間に携帯ネットで情報を集め、東京に電話をしてみたが当然つながらず、夜帰宅して観たテレビでそのすさまじい惨状を知った。楽譜もあったのだがとても書く気になどなれず、ずっとテレビを観ていた。次の日は本番。

 明くる日は、こんな日にもコンサートをやるのかと思いながらホールへ向かったことをおぼえている。誰しも不安な気持ちもあったとは思うが、オケは少なくとも表面的には平静で、普段どおりに演奏した。演奏しているときには忘れられる。ステージでは、生きて音楽を演奏できることに感謝もした。終演後、一人になりたくないと思いながらホールを後にした。

 あの頃はフェイスブックもツイッターもしていなかったけれど、それでもチェーンメールやデマ情報がたくさん来て閉口したことをおぼえている。あの日からしばらくは楽譜も書く気になれず、音楽をやるような気持ちにはなれなかったが、今思えば、甘い。できるやつがやらなくてどうする!? だ。

 被災地域も場所によっては復興にはほど遠く、まだまだこれから長い道程かもしれない。一日も早い復興を願う。それから、亡くなられたたくさんの方々の冥福を祈る。明日3月11日午後2時46分には、みなさんも黙祷を。