2012/01/06(金) 違いがわかる…
 ある新聞で報道されてたけど、フランスで、バイオリンの名器ストラディバリウスやガルネリと現代の楽器とをバイオリニストたちに目隠しテストしてもらって、どの楽器が評価が高いかを調べる試みがなされた。その結果、現代のバイオリンのほうが評価が高かったのだそうだ。

 以前やったコンサートで、数万円の安いバイオリンと何百万何千万のバイオリン、値段にして2ケタか3ケタ違うような2丁の楽器を壁の向こうで弾いてもらって、どっちがどっちかを聴いて当てるっていう企画がなされた。いや、違うのはわかるよ。違いはね。でも、どっちがン千万かって聞かれても、正直わかんないよ。カルテットとかでならわかりやすいかもだけど、1本だけで弾かれてもねぇ…

 まあでも、これとおんなじようなこと、管楽器にもあると思う。固定観念ってあると思うのです。メーカーに対する固定観念、仕様に対する固定観念…。トロンボーンだったら、セイヤーはこうだ、オープンラップはこうだ、みたいなね。事実もあるけれども、思い込みってのも往々にしてあったりすると思うのです。

 そしてさらに、舶来信仰やオールド信仰なんかもあったりして…。たしかに、いいものはあると思うけれども、でもやっぱりそれぞれだと思う。そういう固定観念なしで楽器と向き合わないと、ほんとうにいいモノには巡り会えないと思う。

 それから、聴いている人にはわからないような微妙な違いを吹き手は感じることもあるし、吹き手も気づかないような違いに聴いている人が気づくこともある。音を聴いて鋭い指摘をくれる人もいれば、ただ固定観念だけでいろいろ言う人もいる。

 結局、楽器に何を求めるかなんだと思う。それもまた、人それぞれ。でもトロンボーンの場合、セクションとしてサウンドする楽器じゃないとダメだっていうところは外せないポイントだと思う。じゃあそれはどんな楽器なのか…、これもまた、人それぞれだと思うんだけれどもね。。