2012/02/19(日) 奏法と流派(1)
 エリック宮城のブラス・テクニック・ガイドを買ってきて、少しずつ読んでいる。

 この本、管楽器の雑誌『パイパーズ』に連載された内容を一冊の本にまとめたもの。『奏法大解剖』、『世界のエチュード徹底ガイド』、『マウスピースの正しい選び方』という3つの部分からできている。パイパーズはもうずいぶん前からずっと定期購読していて、エリックの連載記事もだいたい読んでいたしバックナンバーも持っているんだけれども、まとめて読んでみようと思って。

 金管奏法ってほんとにいろんな流派があって、ときにはまったく反対のことを言っていたり、本質的にはおんなじところに行こうとしているのに視点の置き方がまったく違っていたりすることもある。また、イメージを言っているものと実際の身体の動きや機能を言っているものとがあって、さらにそれらが混同されていることもあるように思う。そして現場では、言葉だけがひとり歩きしている現状も多いと思う。

 また、呼吸法などは特にそうだけれど、奏法自体がいろいろとあるのも事実。それは考えてみれば当然で、エリックも本の中で言っているように、ひとりひとり音に対するイメージ、楽器に対するイメージが違うわけだから、極端にいったら、その数だけ奏法があるといってもいいと思う。そしてそれは、どれが良くてどれが悪いとか、どれが一番だとか決められるものでもないだろう。

 だから奏法や理論なんていうのは、たとえそれがどんなものであっても、ある意味、『こういう考え方もあるんだ』、『こういうやり方もあるんだ』っていう客観的な視点を持って接することが大切なように思う。ひとつのものを信仰するよりも、もっと広い視野を持つべきだとも思う。要はその中から自分に合ったエッセンスを見つけられればそれでいいわけだ。でもこれは楽器に限った話ではないんじゃないかな…。

長くなりそうなので、明日の日記に続く…