2012/12/29(土) 100%はない
ぼくは飛行機好きなので、エアラインパイロットさんのブログやエッセイを読んだリする。そんな中から印象に残っていることのひとつに…、航空機の安全に対する考え方は、『事故は起こるものだ』という出発点に基づいているのだそうです。人間のやることに100%はないから、事故やエラーは必ず起こる。でも、こういうエラーが起こっても、ここでカバーしよう、という考え方。
対して、鉄道の考え方は、『ルール通りにやっていけば、事故は起こらないはずだ』なのだそうです。たしかに新幹線はこれまで事故を起こしていないけれども…。もし旅客機が1人でも定員より多く人を乗せて運行したら、きっと大問題になる。でも新幹線は、『定員の150%』なんて人を乗せて走ったりするね…。
1985年8月、日航のジャンボ機が群馬県の山中に墜落して、520人もの人が亡くなった。あのとき、でも、『じゃあ危ないから飛行機はやめようよ』という声はほとんどなかったと思う。人間のやることに100%の安全はない。それをわかった上で、ぼくらは飛行機やそのほかの乗り物、いろいろな科学技術を利用して、大きな恩恵にあずかっている。意識するとしないとにかかわらず、これは事実。
『事故は必ず起こる』っていう考え方から安全を高めていった航空機は、でも今ではとても安全な乗り物になった。だけど、飛行機に限らずどんなものでも、人間のやることだから100%には絶対にならない。もしそこに100%を求めていたらどこにも行けないし、家から一歩も出られない。いや、家の中にいてもダメだろう。
100%完璧じゃないけれど、そういういろいろな技術の莫大な恩恵にあずかって生きているのがわれわれ現代人。だから100%に少しでも近づくべく、いろんな技術やシステムが日々成長していっているんだと思う。もしそれを否定してしまったら、1日たりとも成り立たないのが現代社会。これは逃れようのない事実だと思う。