2012/12/19(水) 呼吸の話2
これまで吸気に関しては、横隔膜が下がって腹圧が上がることでおなかが膨らむんだ、と説明する人と、おなかまわりの筋肉が働いて横隔膜を動かしているんだ、と説明する人とがいた。また、ブレスはできる限りたくさん吸いなさいと教える人と、身体の緊張を招くからフルブレスはいけないと教える人といる…。でも、なんだかブレスの時の身体の緊張のしくみを見た気がしたのです。
ずっと前に、『吹いているときののどの反応を、ブレスの段階ですでに作ろうとしてしまっている』ってことを書いた。のどを下げなきゃ、のどを広げなきゃ、ってのがどうやらぼくの場合どこか無意識にあって、それを、息を吸うときにすでにやってしまっていたのが、ひとつの緊張の元だった、と…。それもあるけれども、やっぱりそれ以外にも身体の緊張の原因っていろいろあるんですね。
この、吸った状態で維持しようとする、吸気を保持しようとする、わかりやすく言うと、息を吸った状態で一旦止まる動作が、緊張やぎこちなさにつながっているんじゃないか…。では、どうして一旦止まる動作をしてしまうのか…。
なんていうことを、ウォームアップやプラクティスの時って、『考えて』しまうんですね。この、『考える』ってこともまた、『ぎこちなさ』のひとつの原因だったりもします。対して、曲を吹いている時、合奏の時、こういう種類のぎこちなさを感じることって、ほとんどないですね。無意識だから。。
吸った状態で一旦止まる動作がいけないわけではなくて、そういうふうに吹く時もあるだろうし、止めずにスムーズに吹く時もあるだろう。それはそのときの表現によって無意識にやっていることだろうし、また、ブレスの取り方だって表現によっていろいろあって、正しいやり方がひとつだけあるわけではなくて、それこそ無限にあると思う。胸郭を積極的に使うことだってもちろんあるだろう。
でも、自分の身体が一体どういうふうになっていて、どんなふうに働くものなのか、それをわかっておくことはきっとプラスになると思う。