2012/11/01(木) 練習見学記(4)
 最初に書いた基礎合奏のことにも関連しますが、なにかの練習をして、なにかを試して、それでバンドのサウンドなり音楽がどう変わったのか、それを聞き分けられなかったら、やってもまったく無意味ですよね。モニターできなきゃいけない。だから、バンド指導の『マニュアル』なんて絶対できないと思うのです。

 そりゃ、『こういう練習がある』とか、『こんなやり方がある』ってのはあります。たくさんあります。でも、聴いて実感できて初めて役に立つ。そこのところがいちばん大事だと思うのです。だから、その部分を含まないマニュアルなんて無意味です。音楽はやっぱりマニュアルではできないと思うんです。

 また、指示や指導、練習の内容だけでそのバンドのサウンドや音楽ができるわけではないと思います。ことばで伝えるモノ以上に、指揮者が棒で、表情や身体全体、その存在感や人間性でバンドに伝わっていくものが、とても大きいように思います。

 全国大会を聴いて、ほんとにどのバンドにも指揮者にも個性があるなぁ、と実感しました。それはやっぱり真似しようと思ってもできるものではないと思います。真似するのではなくて、そういういろんなバンドや指導者の、すごい大雑把に一言で『個性』といいますが、それを、これからもたくさん感じていきたいと思いました。