2012/01/30(月) 純正律(2)
 また、ある吹奏楽関係の論文で、『平均律の音階と純正律の音階の違いを、実際の演奏を通して体で表現できるようにならねばならない、』というのを見た。もしこれが、平均律の音階と純正律の音階を吹き分けられなければならないと言っているものなのだとしたら、これもまたナンセンスだと思う。純正律は、音階で覚えるものではなく、他の音との関係において存在意義があるものだと思うからだ。少なくとも合奏体においては。

 にしてもやはり、長3和音の第3音は13.7セント下げる、第5音は2セント上げるっていう理屈が一時独り歩きして、とくに吹奏楽現場では、とにかく音が合わないときにはその理論に当てはめるということがなされがちだったように思う。でも、音が合わない原因は、じつはもっと違うところにあることも少なくない。その原因はさまざまだ。ちゃんと耳を使ってそれを聞き分けるっていうことが、ほんとうは大事なことなんだと思う。

 いろいろ話は飛んだけれども、理論は理論でしかない。それが実際の楽器に必ずぴったり当てはまるとは限らないのではないか、というのが、昨日書いた説の本質だ。やっぱり耳が大事なんだという話に結局は辿り着く。「耳がない奴がマニュアルに走るんだ」と言った人もいたけれども、一理あると思う。

 あたりまえの話だけれども、自分の耳を使って判断追求することをやっぱり忘れてはならないということなんだろう。