2012/01/29(日) 純正律(1)
長三和音の第3音は、平均律よりも約13.7セント下げると美しく響くことになっている。しかしこれには一考の余地があるのではないか、という説を見た。
13.7セントという数字の根拠は、基本振動の振動数が簡単な比になっているからだという説明がなされる。しかし、正弦波のような純音ならこれでいいのだろうけれども、実際の楽器の音の中に含まれる倍音は、完全に正確に整数倍になっているわけではないらしいのだ。また、波長が単純な整数比になっているイコール美しく響くとは限らないのではないか、と。机上の理論から導きだされた数字を鵜呑みにして、それをそのまま実際の楽器に当てはめるのはどうか、と。
たとえばトロンボーン3本で3和音を奏するとき、第3音は平均律より低めにすると美しく調和する。13.7セントなのかどうか、ちゃんと測ってみないのでわからないけれど、およそだいたいそれぐらいだと思われる。でも、それが理論値通りの13.7セントかどうかには、疑う余地があるというわけだ。
たとえば、『第3音をチューナーで測って13.7セント低めにしたから合うだろう』という発想は、当然ナンセンスだ。13.7セント不信論以前に、音はチューナーで測って合わせるものではなくて耳で合わせるものだからだ。しかし、この理論値13.7が、実際の楽器に完全に当てはまるとは限らないものだとするならば、なおのこと、美しく響くポイントは耳を使って見つけるしかないということになる。
長くなるので続きは明日に…