2012/08/07(火) コンクールの意義(2)
音楽って、どこまで行っても、『よし、これで完成』みたいなゴールはない。どこまで行っても、まだまだまだまだ先がある。だから、昨日の自分たちより、きょうの自分たち、きょうよりもあした、って、前に進んでいくものだと思う。コンクールにかぎらず、それをしないのであれば、音楽をする意味はないと思う。
だからコンクールも、たとえば、『成績なんかどうでもいい』というのであれば、出る意味はない。成績は大事。でもそれは、自分たちがどれだけ前に進んだかっていうことにおいて、大事なんだと思う。成績は、目的ではなく、目標。
一体この先どれだけ前に進めるのか、それはやっぱり指導者によるところが大きいと思う。でも、もし終わったあとに、『自分たちはここまでしかできなかった。残念』と思ったのであれば、それは、ほんとうは指揮者、指導者のせいではないとも思う。その指導者を信頼していましたか? 信頼してそれに応えるべく最大限努力しましたか?
自分自身も指導する立場にあって、だから信頼される(『好かれる』ではなく)指導者であることが大事だし、音楽的にも新たな課題を与え続けてあげられることが大事なんだと思う。ちなみに指導していて、『よし、これで完成』などと思ったことは今まで一度もない。逆に指導者としていちばんいけないのは、『どうしたらいいかわからない』という状態なんだと思う。
『ほんとうの目的は教育です』と言われた指導者がみえた。複数。ぼくもそう思う。仲間を信頼し、指揮者を信頼し、音楽的に成長する中で、人間的にも成長する。音楽的に成長する過程の中に、人間的成長のためのエッセンスは、いっぱいある。もちろん生徒たちだけじゃなく、指導者も成長する。だから、顧問が転出するから廃部にするっていうのは、ほんとうにもったいない話。それは教育に逆行していると言っていい。