2012/08/01(水) 編曲と調性(1)
 きょうから8月ですね。これからコンクールのみなさん、トロンボーンの箱山先生がこんなことを書かれていました。『悔いのない演奏など無い。だから悔いを恐れずに演奏してくれ!』と。深いですね。ステージ楽しめますように。

 さて、Twitterでもつぶやいたけれど…、サウンド・オブ・ミュージックのドレミの歌を編曲しているんだけれども、何調で書こうか迷った。普通はハ長調が多いけれども、変ホ長調の楽譜も見たし、だいいちサウンド・オブ・ミュージックの映画の中のドレミの歌は変ロ長調だ。ハ長調と決まっているわけではないのだよね。移動ドなら何調でも同じ(゚∀゚)

 だいたい、『この曲はこの調性でなければならない』って決まりは、そもそもないでしょ。それにぼくはここ1年くらい、原調至上主義みたいなものに疑問を感じている。たとえばオーケストラ曲を吹奏楽に編曲するとき、原調の方がいいって根拠をあまり感じないし、だいいち良い音がしなかったらダメでしょ。

 ウェーバーの『舞踏への勧誘』は、元々は変ニ長調のピアノ曲。それをベルリオーズがオーケストラに編曲したけれど、調性はニ長調に変えている。だからもしこれを吹奏楽に編曲するなら変ホ長調あたりにしても全然OKなわけだし。こんな例はたくさんある。ただ、組曲や多楽章の曲では、前後の調性関係が崩れるとダメだとは思う。この楽章は原調で、この楽章は別の調に、ってのではダメ。

[明日の日記に続く]