2012/07/16(月) 金管楽器を吹くということ(3)
以前にも書いたことがあるが、ある高校生がピックアップバンドのオーディションを受けるというので指導したことがある。その子は少し猫背だったのだけれど、最初に、「まず見た目からいこうか。おんなじくらい吹ける子がいたら、吹き姿がカッコイイほうがきっと通るよね」と言ったら、それだけで音までガラっと変わって驚いた!! ぼくは「背筋を伸ばして」って言ったわけでもない。ハウツーで変わったわけではないのだ。
金管楽器を吹くときに、なにをしていのるか…、ただ空気が流れて、くちびるが振動して音が出ているだけだ。いや、そんな知識すら不要かも…。うちのホームページに公開していたオンラインレッスン、あの中にもゴミがたくさんあるんじゃないかと思って、大改定を考えて今は一時的に外している。
ウォームアップしていて思うんだけれども、そんなふうにして蓄積していった過去のおびただしい量のゴミを捨て去ることができたら、ものすごく自由に吹けると思う。少しだけうまくいった日には、『なんでこんなに簡単に鳴るんだ!!』って思う。でも、ゴミを捨てようとしてまた新たなゴミを増やしたんでは本末転倒だしね。
初めて楽器を吹いた時、マウスピースを口に当てて、ブーッって音が出た。楽器につけたらプーッって鳴った。あの頃のあのまっ白なところに戻っていけたらいいと思う。なんにも考えてないでしょ、ああしよう、こうしよう、とかって…。余計なゴミがなにもない。今、あそこに戻っても、今ある技術が消えてなくなることはないわけだし。
ただ観察して、ナチュラルなところに帰っていければいいと思う。言うほど簡単じゃないけれども…。