2012/04/20(金) コンクール規定変更(楽譜改変に思う…)(1)
 吹奏楽連盟から、吹奏楽コンクールやマーチングコンテストの規定変更が発表になった。くわしくは吹奏楽連盟のページ参照。

 その中で、課題曲の音、音域を変えて演奏しちゃダメ。バレたら失格との一文が加えられた。これ、書くまでもなくアタリマエのことだし、これまでもほんとうは楽譜変更不可のはず。それをわざわざ条文に書かなきゃならないってことは、それほど改変が横行しているってことだと思う。前にもたしか書いたけれど…。

 パッセージをオクターブ変える、他の楽器を重ねる(ラッパにクラを、ホルンやトロンボーンにユーフォを、テューバにトロンボーンを、などなど)、音を入れ替える、ハーモニーの音変更など、やっているところはけっこうあるし、それが当たり前のようになっているところもある。でも、聞けば一目瞭然。

 楽譜に安易に手を入れる、なんでそんなことをするのかというと、ずばり9割以上は、おそらく100パーセントと言ってもいいと思うけれども、楽譜のとおりにやってちゃんとできる実力がバンドにないからだ。響きが足りないから重ねたりオクターブ変えるんでしょ。濁るから音を入れ替えたり第3音をけずったりするんでしょ。

 だいたい第3音を減らせば濁りがなくなるってのも、すごい安易な発想。実際は、他の音が増えてかえって濁ることも多い。ちゃんと聴き分ける耳があればたいていそんな発想にはならないはず。バンド指導はまず、いい耳がなければ始まらない。これは絶対前提だ。

 余談だが、ある年に吹奏楽連盟に問い合わせたことがある。たとえば同じパートの中で、ある奏者がこの部分は1stを吹いてこの部分は2ndを吹くってのはいいんでしょうか、と…。ずばり、これもダメなのだそうだ。2nd担当の奏者は全編2ndを吹かなければならない。トロンボーンが3人しかいないセクション(各パート1人ずつ)なら、1stにしか書いてない音は1stが1人で吹かなきゃならない。また、コントラバスが『pizz.』の指定のない箇所で勝手にピチカートにするのもダメ。もちろん課題曲に限った話。

(明日の日記に続く…)