2010/08/22(日) チューニング
 今月号のパイパーズ、メトのフルート、デニス・ブリアコフのインタビュー中の、イントネーションに関する部分…『チューナーはかなり注意して使わなければならないと思います。響きがずれたまま、すなわち響きの点でアウト・オブ・チューンであるにもかかわらず、チューナーがジャストを示すようにトレーニングしてしまう。これは危険です。(パイパーズ349号24ページから引用)』

 もちろん次元はちがうが、学校吹奏楽の指導に行っていると、よく同じような問題に出くわす。チューナーの針ばかり気にして、響きがなくなっていたり、ソルフェージュできていなかったり、音が死んでいたり…。んで、チューナーを見てただ『周波数』だけを合わせている。だから、そんな音は合って聞こえないし響かない。チューナーを見ながら吹いている音は、壁の向こうで聞いていても、わかる。逆に言えば、『チューナーを見ながら吹いている』とわかるような音でチューニングしても意味がないし、むしろ逆効果だということ。

 指導に行ってこのごろよく言うのは、「喉のチューニング」、「息のチューニング」。耳のチューニングも大事。それがないがしろになっているのに出ている音の周波数だけ合わせても、あんまり意味がないと思う。

 「うちの子には難しい」、「うちの子には…」という言葉は指導に行くほとんどの学校の顧問の先生から聞かれるけれど、子どもって、ほんとはもっと耳がいい。高いか低いかはわからなくても、合ってないのがわからない子はいない。もしいたら、その能力を『眠らせて』いるのは、指導者だ。

 まぁなにしろ、チューニング、『音が合う』ってことは、じつは奥が深いことだと思う。