2009/09/29(火) デジタル世の中
 少し前の日記でレコードとCDのことを書いたけれど、書いたとおり、レコードの溝には音がそのまま刻まれている。拡大すれば、音の形が見える。対してCDの盤面には、どんなに拡大してみても、ただ記号が並んでいるだけだ。

 楽譜だって、ぼくもそうだけど、今は多くの作曲家や編曲家はコンピューターで楽譜を作る。それはすごく便利なんだけれども、昔みたいに『自筆譜』があって、そういう楽譜の『余白』からまで何かを読み取る、みたいなことは、現代ではもうないわけだ。楽譜は今や、ただのデータだ。

 パーシー・グレンジャーは蓄音機を持ってイギリス中を回り、民謡を歌い手らから収集してそれを編曲したけれど、今ならきっと、家にいてもインターネットを使えば民謡ぐらい調べられるものね…。なんだかありがたくないねぇ^^;

 デジタル世の中で便利だけれども、もしかしたらろくでもない世の中に生きているのかもしれない、と思う。