2009/04/26(日) バストロンボーン
 最近知ったのだけれど、ベルリオーズが回想録にこんなことを書いている。『パリでは、この楽器(Es管バストロンボーン)を練習すると肺に負担がかかるという理由で奏者たちは拒絶しました。(中略)ベルリンの歌劇場のオーケストラにはこのトロンボーンが2本あって、これらの楽器のサウンドは完全にアルトとテノールの音を台無しにしてしまう感じです。バストロンボーンの圧倒的な音は、バランスを壊すのに充分で、今日多くの作曲家が書いている3本のトロンボーンのハーモニーを破壊してしまうことでしょう(後略)』…^^;

 練習したり合奏で吹いてみたりするとわかるけれど、たしかにテナーとバス(Es管といわず現代のバストロでも)では呼吸が違う。いや、基本はおんなじなんだけれども、どの要素を多く使うかっていうバランスが違うと思う。たしかに身体に負担はくるよねぇ…。でも慣れるけどね。。

 バランスを壊すのに充分…、か。うん、それもわかるかな。オーケストラに入って手加減しないで(変な言い方だけど…)吹くと、これ1本でオケ全部吹き飛ばせそうだものね^^;。こんな楽器を手にしたら、性格変わりそうだよ^^;。でも、現代のバストロンボーンはサウンドを台無しにはしないけれどね。あのオルガンのペダルのような音があって初めて、トロンボーンのハーモニーが美しく完成するのです。

 それにしても、フランスのトロンボーンは歴史的にアルトもバスも使わずテナーばかりだったのだけれど、ベルリオーズの頃にはすでにそうだったのね…。