2008/03/08(土) 歯の話(6)
虫歯を抜いてから3ヶ月ほど、徐々に吹けなくなっていった。今だから言うけれど、このときは最悪だった。まず、ロングトーンしようにもスケール吹こうにも、音がスタートできない。発音できないのだ。完全に『つぶれた』。このときも、誰にも聞かれないところで練習した。ほんとうにあの頃ろくなことがなかった。踏んだりけったりだった。
つぶれても、仕事はやってくる。だましだまし吹いた。これは、はっきり言ってつらかった。いろんな人にレッスンも受けた。「こういうふうになるのが理想…」と、、そんなことは百も承知だ。どうしてもそれができないから困っている。大学時代からの仲間にもレッスン付けてもらった。「めしをおごるから、レッスンしてくれ!」と。年とか関係ない。みんないいところがある。それを伝授してもらえば、何かのヒントになるんじゃないか…、そう思った。
河川敷でよく練習をした(今でもするけど…)。楽器を組み立てて、一発も吹けず、楽器をしまう…、そんなこともあった。どんなに吹いても、どんなに考えても、納得いかなかった。どうにもならなかった。そんなとき、ある人のレッスンで、というか、その人に出会って、『楽器を吹いたり音楽をしたりっていうのは、理詰めではいかない。』ということを学んだ。ほかにもいろいろ学んだけれど、考え方がまったく変わった。あれがなければ、今ごろは音楽をやめて、腑抜けのように生きていただろう。
で、その『つぶれた』ばかりの頃、わらにすがる思いで根本先生(やっとここまで話が進んだ)のことを調べて手紙を書き(トロンボーンで仕事をしていること、抜歯で吹けなくなったことなんかを書いた)、診察をお願いした。快諾いただき、横須賀へ行った。
(あさっての日記に続く…)