2008/09/20(土) 赤とんぼ
きょうの朝日新聞土曜版を読んだ。シリーズの『うたの旅人』は、『赤とんぼ』がテーマ。三木露風の詞に、山田耕筰が曲を書いた。ぼくもトロンボーン4重奏に編曲して、コンサートの定番にしたりした。
露風の母は露風が5歳のときに離婚し、別れの言葉もなしに実家に帰ってしまったのだと。2番の歌詞の『山の畑』は、露風の家の北の畑。3番の歌詞の『ねえや』をぼくは露風の姉だと思っていたんだけれど、これは、母が頼んだ子守娘なのだそうだ。
『十五でねえやは嫁に行き…』15歳で嫁に行くなんて、昔は大変だったんだなぁ…、って思っていたけれど、これは、露風が15の時やね。子守娘はお嫁に行ってしまった。1番の歌詞の『負われて見たのは』も、母にではなく子守娘に、だ。これもぼくは『追われて』だと思っていた^^;。
『私に詩思を与えたのは、故郷の山川である』と露風は書いたのだそうだ。故郷は現在の兵庫県たつの市。この歌は、赤とんぼを見て故郷を思い、母を思う歌なのだ、と。。童謡って、実は深い意味が込められているものが多いよね。この詩で露風はもちろん、『母と別れて悲しい』とも、『母に逢いたい』とも書いていない。それどころか、『母』ということばすら出てこない。だからこそよけいに心にしみるんだろう。
山田耕筰は、言葉のイントネーションを生かして旋律を書く人。でも、『あかとんぼ』のところのイントネーションは、『あ』にアクセントがある。『ラドドーレーミー』だもんね。これ、変じゃない? ところが東京では江戸時代からこう発音したんだそうだ。そうなのか…。
『赤とんぼ』って、小学校か中学校の音楽で習ったと思うけれど、こんなことは教えてもらわなかったと思うゾ。。