2008/06/08(日) 普通のこと
 昨日の日記で、いい演奏をするバンドは合奏のつくりがていねいだと書いたけれど、だからといって、イメージもなく細部にこだわっていても意味がない。それに、当然ていねいに仕上げるためにはイメージとともに、合奏をモニターする『いい耳』が絶対に必要だろう。だから正確に言うと、『確たるイメージを持って、バンドをよくモニターしながら、ひとつひとつていねいに仕上げていく』のが、いい合奏ということになるだろう。

 先日帰省で会った高校の後輩でブラスの顧問をしている子も、ほんとうにいいサウンドを創ってくる。この前も高音祭(6/1日記参照)の本番を聴いて感心した。で、本番後、一緒にラーメンを食いながら、「どんなふうに合奏してきたか、目に浮かぶよ。」と言ったら、「こまかいとこまでていねいに作ってきたよ。」と。「そうだろうなぁ…」と。

 彼の指導は、その手腕から県では、その名前をつけて「○○マジック」などと言われているけれど、べつに魔法ではなくて、ただ耳を使ってイメージを持ってひとつひとつていねいに作っているだけのこと。ごく普通のことだと思う。でも、その『普通のこと』ができる人が、もしかしたら希有な存在なのかもしれないね。