2007/12/13(木) アンコンの思い出(2)後編
 たしかに自分が高校生の頃もそうだったんだけれど、音楽ができる毎日をまるであたりまえのごとく思っていた。そのためにどれだけ多くの人たちが、どんなにがんばってくれているかなんてことに思いをめぐらせることはなかった。
 これはもう何年も前、教えに行っていたまた別の高校なんだけれど、定期演奏会の1週間前の合奏後、「きみら1週間後の本番終わったら、この曲たちはもう一生やらないかもしれないんやぞ。なんでそんなに粗末にできるんだ!?」とぼくは訴えた。合奏を聴いた(このときは振っていたわけではないけれど)素直な感想だった。それで何人も泣いて、何かが変わった。
 さて、でも2年前のアンコンの子たちは、自分らの余裕の範囲内でだけがんばって、難しい曲だったのだけれど、ただ音を並べることだけしかしなかったように、ぼくには感じられた。全員そろって合わせたことも、数えるほどしかなかったんじゃないかな…。せっかく書いたものを粗末にされた気がした。もう二度と、この学校(母校です)のためにアンコンの楽譜なんか提供するもんか、と、そのとき思った。
 あれから2年。今年また、アンコンのために頼まれて1曲提供した。それは、今年の子たちはあの年とは違うと信じているからだ。今週はいよいよ大会だね。悔いのない演奏ができますように。。。