2007/11/22(木) ユニオンのこと(長文です…)
昨日の「日本音楽家ユニオン」っていうのは、いわば全国の音楽家の組合組織。組合っていっても、音楽家個人が加入する組合だから、いわゆる職場などの労働組合とはまったく違うものだ。
日本全国の音楽家が組織をつくり、知恵を出し合ったり力を合わせて、音楽家という仕事が社会から十分認められるように、音楽家が暮らしやすい社会になるように、特に生演奏を中心とした音楽文化が大切にされる世の中になるように、いろいろな活動や働きかけをしていく組織。でも今ユニオンは、大変な財政危機なのです。
音楽、詞や曲には著作権があり、演奏した人には著作隣接権というものがある。音楽を売ったり放送したり配信したりしたときには、権利者にマージンが入るような仕組みがあるし、録音やコピーができる機械や媒体の値段には、あらかじめそのマージンが含まれていたり、含まれるようにしていこうという働きかけが行なわれていたりする。そうして、演奏者なども含めたいわゆるクリエーターたちが守られているわけだ。
この、著作権使用料などのいわゆるマージン、今までは全額それぞれ個人の権利者に分配するのではなく、音楽文化のために役立てましょうという公の団体にも分配されていた。ユニオンもかなりの部分をそれに頼って活動していたのだけれど、システムが整ったことなどで、「マージンはすべて個人に分配」になってしまって(これはこれでいいことなのだろうけれど)、ユニオンの財源は大きく減ってしまったのです。
この経済危機を打開するためにこれまでも改革を進めてきたのだけれど、状況は打開されてはいないのです。大きな改革を、すぐにしなければ、立ち行かなくなってしまうのです。そこに集う人たちが、自分らのことばかり考える利己的な発想ではなく、みんなが全体のことを考えていかなければ日本のユニオンはなくなってしまいます。
でも、もし利己的な人間ばかり集まった組織なんだとしたら、なくなったほうがいいのでしょう。そして、ほんのほんの一握りの音楽家だけが裕福な暮らしをして、そのほかの音楽家たちはろくでもない扱いで虐げられ、食うにも困る(オレだ)ような毎日を送るような社会になる。この国の音楽家たちはそんな未来を選ぶのでしょうか…。その答えは、ここ一年以内に出ます。