2007/01/29(月) 教室の悪魔
『教室の悪魔』(山脇由貴子/著、ポプラ社)を読んだ。東京都児童相談所の心理司である著者による、今問題になっている『いじめ』の現実についての書だ。
ドラえもんのジャイアンみたいなのは、もちろん昔からいたけれど、ぼくらのころは、ジャイアンがのび太をいじめるときも、のび太がジャイアンに仕返しするときも、たとえほうき一本であろうとも『武器を持つことは卑怯だ』というような道徳観があったと思う。
だいたい想像はしていたけれど、現代のいじめに道徳はない。棒どころか、もっと残酷な武器(道具とは限らない)を使っても平気だ。何かが麻痺している。そんな学級はコンピューターウイルスに侵されたLANみたいなものだ。道徳がないところなど、現代社会を反映しているように思う。
ぼくがもし同じ目にあったら…、きっと、どこかでぶち切れてめちゃくちゃするだろう。けが人が出ようが、学校がめちゃくちゃになろうが、いじめが続くよりもましだと考えるだろう。ずいぶん前に九州で、小学生が同級生を殺してしまった事件があったけれど、きっと殺したほうにも殺さなきゃならなかった理由があるはずだ。
以前、いじめられっこに「声を上げろ」と書いたけれど、でも、やっぱり逃げることも大切だと思う。なにしろコンピューターウイルスに侵されたシステムなんだから…。教育再生審議会の、『いじめた生徒の出席停止』の話だって、これを読めば現実を見ていないことがわかる。
学校関係者は読まれただろうが、もしまだなら一度読んでいただきたい。子どもを育てる親の方たちにも。そして、決して他人事だと思わないでいただきたい。