2007/06/09(土) 浄書
 作、編曲だけじゃなくて浄書(楽譜の清書)の仕事もいくつかやっている。そのなかに、オケ曲の吹奏楽アレンジの浄書があった。フルスコアを作っていくのだが、元の楽譜をながめていると疑問点が次々出てくる。特にアーティキュレーション。そのほか、音やリズムも。原曲のスコアを引っ張り出して見比べて検討し始めてしまったので、浄書というより校訂といったほうが近いかも…。
 それにしても、どうしてあんなに原曲にはないものがたくさん出てくるんだろう…。間違い、だけじゃないみたいだし…。なんで? と考え込むことしきり。「これじゃあ違う曲じゃん…」と言ってもいいような箇所もある。それとも、ぼくの持っているスコアとはまったく違う版がどこかにあるのだろうか…。まあ、オケの吹奏楽アレンジモノの中には、「過度の演出」や「改ざん」と言われても仕方のないものもけっこうあるように思う…。作業を続けていくうちに、いったい何を信じていいのかわからなくなってきたゾ…。
 時々考えるんだけど、オケ曲を吹奏楽に編曲する意味ってなんだろう…。いや、意味がないと言いたいんじゃなくって、どこをめざすべきなんだろう、ということ。忠実に再現することが大切なのかもしれないし、いや、それだけでは意味がないのかもしれないし、だからといって別物のように変えてしまっていいのかとも思うし、それで新たな世界を創ればいいのかもしれないし、でも、「新たな世界」っていうのは、イコール「派手でインパクトがある」ってことではないはずだ。特にコンクールの世界では「派手でインパクト」がもてはやされるところもある(編曲というより演奏で?)。それはある意味とても安易な流れだ。しかしそういうものに流されず、きちんとていねいに音楽を作って結果を出す団体もあるのも、また事実だ。