2006/05/27(土) カルテットの傑作は…
 このごろ編曲をしていてつくづく思い知ったこと…、以前にも同じようなことを書いたが、管楽器による、同種楽器だけのカルテット(四重奏)としては、フルート、サックス、トロンボーンの3種がいかに傑作かということ。
 4声だけで音楽が完結するためには(そうでない場合も多くあるけれど)、メロディ、バス、内声という3つの要素を持てて、なおかつそれが、さまにならなければならない。メロディには向いているけれどベースを吹いてもさまにならない、とか、その逆とか…。でも、先にあげた3つの楽器は、どの役割もできて、どれも、さまになる。さらに全体である程度の音域がないと、メロディがベースとクロスするなんてことが起こる。
 フルートは高音楽器と決め付けられがちだが、アルトフルートなどを使えばベースを吹いてもさまになる。さらに、上にピッコロを使えば、4オクターブ以上におよぶ音域がある。サックスも、1つずつの楽器はそう音域は広くないのだが(といっても2オクターブ半が自由自在)、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンと4種使うことで、4オクターブ以上の音域になる。トロンボーンも、旋律もベースもさまになる楽器で、なおかつハーモニーを身上とする楽器。なにしろもともと合唱の代わりとして教会で使われていた楽器だ。
 ぼくは学生の頃からトロンボーン四重奏はよくやっていた。卒業してからはジャズアンサンブルもやった。その関係でいやというほど楽譜を書かされた。それが作編曲業の始まりなのだが、その時の経験のおかげでほんとうに助かっている。もしトロンボーンでなく違う楽器だったら、こんな経験はできなかっただろうと思う。