2006/05/23(火) 歌う
昨日の日記に出てきたトヨタの楽器演奏ロボット、人間の出す音の方がずっといいと書いた。実際そう感じたのだが、それはなぜなのか…。金管楽器は、『息でくちびるを振動させて音を出す』という、正しいのだけれど、ある意味では正しくない原理を馬鹿正直にロボットにやらせたら、こんな音になりました、という音なのだ。
もちろん、人工の肺とくちびるでロボットに金管楽器を吹かせる。しかも、曲まで演奏できる。これはきっとものすごい技術と計算だと思う。でも、金管楽器の吹き方としては、ある意味原始的で初歩的。なにが人間と違うのかというと、ロボットは歌わないのだ。ここで言う“歌う”とは、表現するというような意味での“歌う”とは違う。純粋に“歌う”だ。歌うことは“共鳴する”こと。響きをコントロールすること。
くちびるの力加減と息を出す強さだけで音の高さをコントロールできることを、あのロボットは実証したと思う。でも、それはある意味、金管楽器の吹き方としては初歩的といっていい。もちろん、ロボット君の音と演奏を聴いてぼくにはそう感じられたわけで、実際にロボットがどんな技術を使ってどう音をコントロールしているのか、(音は)聴いたけれど(説明を)聞いたわけではない。