2006/04/27(木) 課題曲
 ご存知の方も多いと思うが、全日本吹奏楽コンクールの課題曲、これは公募で選ばれている。いわゆる“朝日作曲賞”。今年で17回になる。じつはほくも応募したのだが、一次を通りました。
 自分が中学高校のころ、いちばん練習したのはやはりコンクールの課題曲と自由曲。中学ではテューバだったが、高校でトロンボーンと出会い、あの課題曲のここが難しかった、とか、この課題曲はここがかっこよかった、とか…。高校を卒業して音楽大学に入るとき、“今までとは違う世界に行くんだ”と思っていた。それはたしかにそうだったのだけれど、自分の原点が変わるわけではないし、中学高校のコンクールでやった曲たちは、一生忘れない。
 音楽大学に入って、楽器を持って吹奏楽コンクールの舞台に立つことはなくなったけれど、クリニック、レッスン、バンド指導や演奏などで、その後もほとんどの年のコンクール課題曲とかかわってきた。振り返ってみれば吹奏楽コンクールの歴史の半分以上にもなる。ここ4年はここに解説も書いているし…。
 今回、曲を書くにあたって、課題曲というものをずいぶん考えた。自分が楽器と出会った原点である学校吹奏楽にコンクールそして課題曲があり、そこから受けたものは思っていた以上に大きかった。課題曲の楽譜はどんなふうに読まれ、とんなふうに練習され、どんなふうに演奏されていくのかを、今までたくさん見てきた。そして、出会った子どもたちの心の中には、きっと一生残っていくであろう曲たち…。そんなことを考えながら、時間をかけて、知恵熱を出したり胃が痛くなったりもしながら、でも、とっても楽しんで書き上げた。
 二次も通って課題曲になってくれたら…