2005/04/01(金) 「楽しい」って…
 「楽しいことがいちばん」「心がこもっていれば」… 音楽の(アマチュアの)現場で、時々聞かれることばである。ほんとうに大切なことだと思う。でも、ちょっと待って。
 「楽しむことがいちばん」っていうのは、「楽しければそれでいい」っていうのとは違う。だいたいその前に、音楽をする楽しみって、何? たとえば、みんなで集まって、好き勝手にめちゃめちゃな音で合奏して、調号なんかばんばん落として、「あぁ、楽しかったね」って、それで満足してしまうのって、どうよ。
 ハーモニーは合っていた方が気持ちいいし、そういういい音、いい響きを求める耳は、“誰もが必ず”持っているものだと思う。それを、眠らせたままにしておくのか、それとも覚醒させるのか…。
 それを覚醒させてあげないことには、音楽のほんとうの楽しさはわからないんじゃないのだろうか。
 無機的にきちんと音を並べるだけのために、ただ辛く苦しいだけの練習を重ねて悲壮感が漂うのもくだらないと思う。でも、「楽しい」だとか「心」だとかいう言葉が、音楽とはあんまり関係ないところで一人歩きしちゃっているんだとしたら…