2005/09/06(火) 再現芸術
昨日登場した友人T。以前彼に言われたことがある。「クラシックってただ楽譜どおり吹くだけで何が面白いの?」…。例によって簡潔にてっとりばやく説明することができなかったぼくは、「う〜ん、、」などと言ってお茶を濁した。
昔、別のジャズプレイヤーに言われたことがある…「クラシックは再現芸術、ジャズは表現芸術。」その言葉はなんだか優越感を含んでいたと、なんとなくぼくには感じられた。“おれたちはクリエイティブなことをやってるんだ”と…
“楽譜を再現する”といっても、楽譜には音やリズムと、そのほか(決して多くない)いくつかの情報が書かれているだけである。楽譜に書かれていないもの…、音楽の空気や、息づかいや、呼吸。それは奏者の呼吸じゃなくて、“音楽の”呼吸や息づかい。それこそが、人の心を動かす音楽の本質ではないか…? それは楽譜には直接は書かれていない。奏者の想像力で創造するもの。そういう意味では、クラシックの演奏だって決してただ“再現”しているだけではないのです。
あっ、決して友人Tを責めるわけではなく、彼はすばらしいジャズトランペッターであり、大変な人格者である。。。