2004/10/13(水) 伝わること...
 江國香織さんの『つめたいよるに』を、やっと読み終えた。なかなか読む暇がなくて...。あぁ、やっぱりぼくは、この人の小説が好きだなぁ。短編集で、わりと普通ではない、いわゆる“非日常”な物語が多いのだけれど、不思議とお話に入れるし、主人公の気持ちがすぅっと心に入ってくる。
 逆に、なんとなくどこかにありそうなストーリーなのだけれど、なぜかあんまり話に入り込めない小説というのもある。なにが違うんだろう...。江國さんの小説は、どこかあっさりとしていて、爽やかだ。そこがぼくの好みに合っているのかもしれない。
 昔、ある『書きモノ』の仕事をいただいた。歌モノで、歌詞の内容が暗くて、それを伝える音楽も真っ暗だったら、聴いている人は胃もたれしちゃう。だから、あっさりさわやかに書こうと思った。救いがほしいと思った。まあそれは、ぼくの趣味。そういうのを好まない人も、いるだろう。
 なんだか何を言いたいのかわからなくなってきたけれど、あっさりと伝えた方が、逆に気持ちが伝わるってこと、あると思う。